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女性の健康リテラシー向上の秘訣 – 動画と集合研修の効果的な活用法


 「女性の健康リテラシー向上のポイント」では、女性の健康リテラシーを向上させるための具体的な方法やその重要性についてお伝えしました。特に、職場での健康リテラシー向上が個人の生産性を高めるだけでなく、組織全体の心理的安全性を向上させることに繋がる点をお伝えしました。また、「女性の健康リテラシー向上のポイント -研修開催時-」では、受講者の年齢層や性別に応じた内容の調整、詳細すぎない情報提供、法制度や自社規定の説明など、効果的な研修実施のためのポイントを説明しました。今回は、健康リテラシーを向上させる手段として、動画を使用した研修と対面式の集合型研修についてご説明します。


目次

  1. 動画研修のメリット・デメリット
  2. 対面式集合型研修のメリット・デメリット
  3. 効果的な研修の組み合わせ方
  4. 効果的な研修の段階的アプローチ
  5. おわりに

 皆さんは研修を企画する際に、動画による研修がいいのか、それとも対面式の集合型研修にしたらいいのか迷ったことはありませんか?

 どちらが良いのかを考えるにあたって、それぞれのメリット・デメリットを確認しておきましょう。(動画は予め録画したものを指し、対面式集合研修にはオンライン配信を含みます。)

1.動画研修のメリット・デメリット

メリット

  • 時間と場所に縛られない: 受講者は自分のペースで学習でき、場所や時間に制約されません。
  • 繰り返し視聴可能: 何度も視聴することで、理解が深まります。
  • コスト削減: 会場費や交通費が不要で、初期の動画制作コストを除けば、長期的にはコストを抑えられます。
  • 内容の一貫性: すべての受講者が同じ内容の動画を視聴するので、研修の質や内容にばらつきがありません。
  • 視覚的学習の効果: アニメーションなどを使った動画は視覚と聴覚を使って情報を伝えるため、理解しやすく、記憶に残りやすくなります。

デメリット

  • 初期コストと手間がかかる: 動画制作には初期コストと手間がかかります。高品質な動画を作成するためには、専門的な知識や技術が必要です。
  • リアルタイムのコミュニケーションの欠如: 受講者同士や講師とのリアルタイムのやり取りが難しく、疑問点がその場で解消されないことがあります。
  • 自己管理力の必要性: 自分で学習時間を管理する必要があるため、モチベーションが低い場合や自己管理が苦手な人には向かない場合があります。

2.対面式集合型研修のメリット・デメリット

メリット

  • コミュニケーションの活性化: 受講者同士の自然なコミュニケーションが生まれることで、理解が深まり、問題解決能力やチームワークが向上し、受講者のモチベーションとネットワーキングの機会が増える効果が期待できます。また、グループディスカッションやロールプレイングを通じて、実践的なスキルを身につけることができます。
  • その場での疑問解消: 受講者がその場で質問し、講師から直接フィードバックを受けることができるため、理解度が深まります。
  • 企業文化の醸成: 企業の価値観や風土を直接伝えることができ、一体感を醸成するのに効果的です。

デメリット

  • コストがかかる: 会場費や交通費など、実施方法によって様々な費用が発生します。また、外部講師を招く場合、その費用も発生します。
  • スケジュール調整が難しい: 多くの参加者のスケジュールを調整するのが難しく、全員が参加できないこともあります。
  • 通常業務への影響: 研修中は通常業務から離れる必要があります。

3.効果的な研修の組み合わせ方

 動画研修と対面式集合型研修は、どちらを選択するのが良いかを考えるよりも、それぞれの特徴を生かして、両者を組み合わせて使用することをお勧めします。

  • 広さをカバー: 女性従業員や男性従業員など、相対的に人数の多い対象者には、まずは動画を使用した研修で効率良く知識を持ってもらうようにします。

  • 深さをカバー: 組織風土に大きな影響力を持つ管理職に向けては、女性の健康リテラシーへの正しい理解と実践的なスキルを学習できるように対面式の集合型研修を実施します。

このように、「広さ」をカバーするのに動画を使用して、全体的な知識の底上げと社内の雰囲気の向上を図り、同時に、確実な変化を求めたい層に対しては理解の「深さ」に適した集合型研修を組み合わせると、効率と効果が高い施策になります。

4.効果的な研修の段階的アプローチ

 動画研修と対面式研修を同時に実施するのが難しい場合、段階的に行うことができます。まず、管理職向けに対面式研修を実施し、女性の健康リテラシーを活かせる組織風土を作ります。その後、動画研修を使って広く従業員に知識を広める方法があります。

 逆に、最初に動画研修で従業員全体に知識を広め、社内の関心を高めた後で、管理職向けの対面式研修を行うという方法もあります。

 対面式の集合型研修を全従業員に対して行うことができれば、広く知識を普及させると同時に、深い理解も得られるため理想的です。また、動画研修でも工夫次第で深い知識を提供することが可能です。しかし、どちらの方法も人的リソースや予算、時間が多く必要です。

 そこで、動画研修と対面式研修のそれぞれの利点を生かして、組み合わせて使用すると良いでしょう。さらに、これらを時間軸に沿って計画することで、効率的かつ効果的な研修を実施することができます。

5.おわりに

 女性の健康リテラシー向上は、個人の健康と生産性を高めるだけでなく、組織全体の心理的安全性や企業文化の向上にも繋がります。動画研修と対面式研修の利点を生かし、段階的に実施することで、効率的かつ効果的に健康リテラシーを向上させることができます。

 従業員一人ひとりが健康で働きやすい環境を実現し、企業全体の成長を支える基盤を築くために、今こそ効果的な研修を導入しましょう。女性の健康リテラシー向上は、未来の職場をより良いものにするための重要な一歩です。

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(文/阿曽 泰三)
さんぎょうい株式会社/ソリューション事業部 mezame事業室 室長(社会保険労務士、健康経営エキスパートアドバイザー、女性の健康経営推進員 他)
国内外で多くの女性同僚や部下のキャリア形成に携わり、女性特有の健康、ライフイベント、キャリアに深い関心を寄せる。
また、二人の娘の親としても、女性の健康とライフキャリアに向き合っている。
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