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暑さでパフォーマンスが下がったときにはちょっとした工夫で乗り切ろう


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夏の暑さが続くと、集中力ややる気が低下し、仕事や日常生活においてパフォーマンスが下がることがあります。

暑さによる体調不良や疲労感を防ぎ、元気に過ごすためには、日常生活での工夫が必要です。特に、食事や睡眠、リラックス法を見直すことで、暑さに負けない体を作ることができます。

本コラムでは、暑さでパフォーマンスが下がったときにおすすめの対策を紹介します。

目次

  1. 暑さが脳に与える影響
  2. 暑さが意欲に与える影響
  3. パフォーマンスを下げない工夫
  4. まとめ

1.暑さが脳に与える影響

暑さは脳にさまざまな影響を与えます。

気温が上がると、体温も上昇し、体内に熱がこもります。

これにより脳の温度も上がり、体はこもった熱を放出して体温を下げようとしますが、その過程で血液の流れが悪くなり、脳に必要な酸素や栄養が十分に供給されなくなることがあります。

その結果、判断力が鈍り、ミスが増えるなど、仕事や勉強のパフォーマンスが低下する可能性があります。

さらに、血流や血圧の変化が起こることで、熱中症の症状としてめまいや立ちくらみ、全身の倦怠感(だるさ)、吐き気や嘔吐、頭痛などを引き起こすこともあります。

2.暑さが意欲に与える影響

暑さは体力だけでなくやる気も失いやすくします。

暑さにより体は体温を維持しようとエネルギーを使うため、その他の活動が鈍くなります。

そのため、体力が消耗することで疲労感が増し、疲労感は活動意欲を低下させるため、すっきりしない気分で過ごすことになります。

そして高い湿度は、集中力を低下させ、眠気をもたらします。このような状態では、仕事や勉強に対する意欲が減退し、効率的に物事を進めることが難しくなるでしょう。

やりたいのに、頭も体も働かないとなればイライラも募りやすくなりますね。

このように、パフォーマンスが低下する厳しい環境の中で、私たちはどのような 工夫が出来るでしょうか。

3.パフォーマンスを下げない工夫

暑さによるパフォーマンス低下を防ぐためには、日常生活での工夫が重要です。

以下を参考に取り入れられそうなことから試してみてください。

食事

夏に元気が出やすい食事のポイントは、栄養バランスと体を冷やしすぎないことです。

以下の食材や料理を取り入れると、暑さに負けずに元気を保ちやすくなります。

1. 水分摂取

一度に大量に飲むのではなく、こまめに摂取することが大切です。特に、運動中や外出中は、15~30分ごとに200ml程度の水分を補給するのが理想的です。

2. 毎食欠かさずとる(鶏肉、魚、大豆製品(豆腐、納豆)など)

そうめんだけ、といった、のど越しの良い物ばかりにならないように!そうめん+蒸し鶏など。特に鶏むね肉は低脂肪で消化に良く、夏の疲れた体にぴったりです。

3. 発酵食品を取り入れる:ヨーグルト、キムチ、味噌など

発酵食品は、腸内環境を整え、免疫力を高める効果があります。夏場は腸内環境が乱れやすいので、これらを積極的に摂取するといいですね。

4. ビタミンB群を含む食品を積極的に摂取

豚肉、玄米、卵などに多く含まれるビタミンB群は、エネルギー代謝を助け、疲労回復に役立ちます。夏の疲れを感じたら、これらの食品をメインにした食事を心がけましょう。

5. 塩分を適度に摂る

暑さで汗をかくと塩分が失われがちです。梅干しや味噌、スポーツドリンクなどを取り入れて、適度に塩分を補給しましょう。ただし、摂りすぎには注意が必要です。

特に屋外や倉庫など体をよく使う方は、夏場は朝食に味噌汁や冷や汁を飲むのが熱中症予防に効果的ですよ。

睡眠

睡眠もパフォーマンス維持に欠かせません。

暑さで寝苦しい夜が続くと、十分な睡眠が取れず、翌日の集中力や判断力が低下することがあります。

寝室の温度を適切に保つことが重要です。

エアコンを活用して室温を25度前後に設定し、快適な睡眠環境を整えましょう。

また、通気性の良い寝具やパジャマを使用することで、体の熱を逃がしやすくし、寝苦しさを軽減することができます。

リラックス法

リラックスすることも、暑さによるストレスを軽減し、パフォーマンス維持に役立ちます。

深呼吸やストレッチ、ヨガなどを取り入れることで、心身をリフレッシュし、集中力を取り戻すことができます。

アロマテラピーやマッサージなども、リラックス効果を高めるために有効です。

室内環境の保ち方

室内の温度と湿度を適切に保つことが重要です。エアコンや扇風機を活用し、涼しい環境を整えましょう。

特に、湿度を50%以下に保つことで、快適さを感じやすくなります。

執務環境

1. 温度管理

室温は25~28度に保つのが理想です。エアコンを適切に使用し、過度に冷やしすぎないようにしましょう。扇風機やサーキュレーターを使って、空気の流れを作り出すと、室内全体が均一に冷え、冷房効果が高まります。

2. 湿度管理

湿度は50~60%に保つのが理想です。湿度が高いと不快感が増し、カビやダニの繁殖にもつながります。除湿機やエアコンの除湿機能を活用しましょう。

3. 光環境

自然光を適度に取り入れることで、目の疲れを軽減し、気分もリフレッシュされます。ただし、直射日光が強すぎる場合は、ブラインドやカーテンで調節します。

デスクライトは、LED照明を使用し、柔らかい光で目に優しい環境を整えましょう。

衣服

通気性の良い、吸湿性に優れた衣類を選びましょう。綿や麻などの自然素材の服を選ぶと、汗を吸収し、涼しさを保つことができます。特に同じ環境でも、着替えをこまめにしていると熱中症のリスクは、着替えをしない人より低くなります。

4.まとめ

暑さは脳や意欲に大きな影響を与え、パフォーマンスを低下させる要因となります。しかし、適切な水分補給やバランスの取れた食事、環境を整えることで、その影響を軽減し、高いパフォーマンスを維持することが可能です。日常生活での小さな工夫を積み重ね、暑さに負けずに元気に過ごしましょう。

参考:一般財団法人日本気象協会 熱中症を学ぼう

文/大内 麻友美(保健師)
さんぎょうい株式会社/ソリューション事業部 保健師事業室 室長(看護師/保健師・キャリアコンサルタント・第一種衛生管理者・産業カウンセラー他)
北海道の地域基幹病院に看護師として従事した後、子育てをしながら健診機関やクリニックにて予防医学に関わる。
その後、働く人の健康管理に携わるため保健師として産業保健業務に従事する。
現職では、さまざまな規模の企業に対して、個別支援を中心としたかかわりから、広く集団に向けて健康情報の発信や、喫煙対策プログラム構築、導入支援など産業保健サービスに携わる。
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