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産業医面談を拒否されたらどうする?受けたくない理由や対処法を解説


産業医面談は、従業員の健康を確保し安全に働くことができる条件を確認するために行われます。しかし、中には従業員から産業医面談を拒否され、どのように対処すべきか悩む人事担当者の方がいるのではないでしょうか。

産業医面談を拒否されたからといって放置しておくと、安全配慮義務を怠ったとみなされてしまいます。この記事では、産業医面談を拒否される理由や企業の対処法を解説しますので、参考にしてください。

目次

  1. 産業医面談は従業員の健康保持と安全確保に行われる
  2. 産業医面談を拒否された場合は強制できない
  3. 従業員が産業医面談を拒否するケース
  4. 産業医面談を拒否した場合の5つの対処法
  5. 産業医面談をどうしても受けてくれない場合の対処法
  6. 産業医面談を拒否する従業員へ適切な対応をして健康経営につなげよう
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1.産業医面談は従業員の健康保持と安全確保に行われる

産業医面談は、社員の健康状態や疲労の蓄積の状況を確認し、仕事による健康状態の悪化や疾患の進行がないよう、就業の条件の判断を行うために行われます。

産業医は、対象の従業員に面接指導するだけでなく、働きやすい職場改善につなげるため、医学的な知見をもとに職場へ意見を述べることが求められています。

2.産業医面談を拒否された場合は強制できない

産業医面談は、労働安全衛生法で定められている企業側の義務です。ただし、従業員には産業医面談を受ける法的な義務はないため、拒否できます。従業員が産業医面談を希望しない場合、企業には法的な拘束力がありません。

とはいえ、従業員が産業医面談を拒否したからといって放置すると、安全配慮義務を果たしていないとみなされるリスクがあるため、注意が必要です。

3.従業員が産業医面談を拒否するケース

従業員が産業医面談を拒否するケースとして、以下が考えられます。

  • 業務が多忙で面談の時間が確保できない
  • 産業医面談が人事評価に影響するのではと不安がある
  • 産業医面談で話した内容が上司に知られるのではと不安がある
  • 上司や同僚に健康状態を知られたくない
  • 健康上、面談を受けられる状況ではない
  • 産業医面談で解決すると思えない
  • 知らない産業医との面談に抵抗がある
  • 単純に面倒だと思っている

例えば、周囲から見たらメンタルヘルスの不調があるが、本人に自覚がない場合、人事考課に影響を及ぼすのではないか、と上司や同僚には知られたくない事情があるはずです。産業医面談を受けることで、さらに状況が悪化するのでは、と不安にもなるでしょう。

また、信頼関係の構築されていない産業医との面談に対し、抵抗を感じるケースが考えられます。産業医のちょっとした声かけに対し、精神的な苦痛を感じる従業員は少なくありません。

従業員それぞれ、理由や事情はあるでしょう。まずは産業医面談を拒否する理由を確認し、従業員の気持ちや立場に寄り添った対応を行い、人事担当者などが従業員に産業医面談の意義を説明するなどの対応も効果的だと考えられます。

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4.産業医面談を拒否した場合の5つの対処法

従業員が産業医面談を拒否した場合の対処法は、以下の6つです。

  • 本人の拒否する気持ちに対して理解を示す姿勢を表示する
  • 過重労働面談や就業制限の必要の際は法律で義務付けられていることを説明する
  • 守秘義務があることを伝える
  • 産業医面談を受ける本人にとってのメリットを伝える
  • 産業医面談で抵抗がある場合は、産業看護職による面談を活用する

本人の拒否する気持ちに対して理解を示す姿勢を表示する

まずは、従業員が面談を拒否した場合には、理解する姿勢を示しましょう。本人の気持ちに寄り添うことで、面談を拒否する理由を話してもらいやすくなります。

従業員のことをよく知る人事担当者や上司などが、産業医面談を拒否する理由を尋ねると良いでしょう。理由を尋ねる環境にも配慮し、周囲に会話が漏れ聞こえない場所を確保し聞き出しやすい雰囲気づくりを行います。例えば、業務が忙しく面談を受ける時間が確保できないのであれば、同僚や上司と業務分担したり、タイミングを調整したりするなどのサポートをしましょう。

上司や会社に健康状態を知られたくないのであれば、人目のつかない場所での面談場所の確保や、可能であればオンライン面談も手段として考えられることを伝えましょう。

産業医に抵抗がある場合、従業員本人が希望するかかりつけ医からの意見をもとに就業

の配慮等を判断することもあります。ただし、産業医以外の医師の面談を受けた場合、主治医からの診療情報提供書または主治医による意見書等の提出が必要です。

過重労働面談や就業制限の必要の際は法律で義務付けられていることを説明する

従業員には産業医面談を受ける義務はありませんが、法律上、企業は従業員の安全を確保する目的において、産業医による面談で就業に関する意見を確認することが義務付けられていると説明することが大切です。法律で定められていると知れば、真剣に考えてもらえるきっかけになるでしょう。

守秘義務があることを伝える

産業医面談の内容が、会社に知られることを不安に思う従業員は少なくありません。産業医には守秘義務があることを伝えれば、安心して面談を受けられるでしょう。

面談には上司が同席しないこと、産業医と1対1で行うことを人事担当者や上司から伝えれば、対象の従業員の不安や心理的負担を軽減できます。

産業医面談を受ける本人にとってのメリットを伝える

面談を受けるメリットを伝えるのも効果的です

本人はちょっとした不調だと感じていても、実は深刻な病気が隠れているケースがあります。会社に提供された面談の場で医療の専門家の助言を受けられる機会でもあり、自分では気付けない病気の早期発見・早期治療につなげられるでしょう。

また、かかりつけ医など医療機関の医師による診察では、職場環境まで把握することは困難です。産業医面談は、従業員の働く状況を具体的に理解しつつアドバイスをもらえるため、従業員が職場で抱える悩みにも対応しやすいと言えます。

これらのメリットを人事担当者などが従業員に伝え、面談の意義を理解してもらえるように務めることが望ましいでしょう。

産業医面談で抵抗がある場合は、産業看護職による面談を活用する

産業看護職がいる事業場では、補助的な面談を依頼できます。産業看護職とは、働く人々を対象に、看護の専門性を発揮して健康支援活動を行う保健師や看護師のことです。産業看護職は、労働者の最も身近な援助者として、疾病の早期発見・健康増進のために働きかける役割があります。

産業看護職による面談においては、今の不安な気持ちや産業医面談における抵抗感の気持ちを吐露できる機会として活用できます。人事や上司に言えない事情や思いを従業員さんが専門職に聞いてもらうことで、もやもやしている感情を整理でき、産業医面談への参加の同意を得るための前段階として機能することが可能です。産業医面談の壁が高い場合は、まずは産業看護職の面談でその不安な気持ちを聞いてもらうこともできますよ、とお声かけいただくとスムーズに産業看護職の面談を受けてもらえることも多いです。

5.産業医面談をどうしても受けてくれない場合の対処法

従業員の意向を汲み、あらゆる手を尽くしても産業医面談を受けてくれないケースがあります。とはいえ、拒否するからといって面談を実施せず放置しておくと、安全配慮義務を怠ったとみなされてしまうリスクがあるため、何らかの対処を行わなければなりません。

まずは、従業員へ産業医面談を勧めた事実を残しておくことです。具体的な日時・従業員への面談通知内容・拒否した理由・対処内容など、できるだけ詳細に記載しておけば、安全配慮義務を果たしたと認めてもらいやすくなるでしょう。

6.産業医面談を拒否する従業員へ適切な対応をして健康経営につなげよう

産業医面談は企業側の義務ですが、従業員が拒否した場合の強制力はありません。まずは、産業医面談を拒否する従業員への理解・配慮を忘れないようにしましょう。その上で、産業医面談を受けるメリットを伝え、従業員の健康確保やメンタル不調などの早期発見・早期治療につなげることが大切です。

どうしても面談を受けてもらえない場合は放置せず、かかりつけ医の受診を勧めたり、産業看護職の面談を推奨したり、安全配慮義務を意識した可能な限りの手立てを行いましょう。そしてすべての経過、人事や上司から行った対応の実績は必ず記録に残すことが必要です。

社員の健康を守るためには、産業医が欠かせません。多くの産業医の中から自社にマッチする産業医を選ぶためには、産業医選任サービスが役立ちます。

弊社では、産業医の選任を支援する産業医選任サポートサービスを提供しています。産業医の選任はもちろん、産業保健活動のサポートが可能です。過重労働や休復職など、法令に準拠した各種面談体制の構築サポートにも対応しています。産業保健活動を充実させ、従業員の健康を守りたい方は、ぜひお問い合わせください。

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