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視点を変えて取り組む受動喫煙対策 「対立」から「共感」へ


タバコ

新年度になり出社率を上げる会社が増えているようですが、都内の喫煙所はだいたいどこも満員。人気店並みの列を見かけることが増えました。さて、働く人の禁煙は個人の問題?会社の課題?どうする喫煙対策?改めて考えてみませんか。

目次

  1. うまくいかない喫煙対策
  2. 動きはじめる?禁煙外来
  3. 概念転換です。職場の受動喫煙対策は「対立」から「共感」へ
  4. 禁煙のきっかけづくりは周りの協力と本人へのちょっとの後押しをすること
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1.うまくいかない喫煙対策

コロナ禍の2020年4月に「改正健康増進法」(※1) が施行となり、受動喫煙防止対策への取り組みが進みました。職場では、この法律以外にも喫煙対策に取り組みを行うように後押しする法律がいくつかあります。しかし、禁煙は個人の努力で行うこと、喫煙は嗜好に関することだからと本人の問題とされることが多いです。また、経営層に喫煙者が多く喫煙対策が進められない、非喫煙者に対して公平性の問題が…と喫煙対策を進めるには様々な壁があります。

喫煙者対策として健保とコラボヘルスを進め、禁煙プログラムを行っても喫煙者がプログラムに飽きてしまったり、禁煙に関心のある層が卒煙してしまうとそこから先に進まなくなるという課題があり、担当者は頭を悩ませているようです。

2.動きはじめる?禁煙外来(※2)

新型コロナ感染症蔓延における医療機関の業務増大や内服禁煙補助薬(チャンピックス錠)の出荷停止にともない、一定数の医療機関が禁煙外来を中断することで、禁煙外来を受診できない禁煙外来難民が発生しています。しかし、状況の改善に伴い、今年3月には日本禁煙学会が「禁煙外来を再開しましょう」と呼びかけを行っています。少しずつではありますが、受診が可能となってくるかと思います。

この他にもオンライン禁煙外来という方法もあり、禁煙の支援の幅が広がっています。

3.概念転換です。職場の受動喫煙対策は「対立」から「共感」へ

タバコ問題(※3) の根幹にはニコチン依存の問題があります。「自己責任では片付けられない問題に理解を示すことが大切」とされ、対立・糾弾ではなく、共存・理解の戦略へシフトさせることが、新しい時代のタバコ対策の重要な視点とされています。

ニコチン依存の治療として禁煙治療は保険適用がされていますので、是非とも禁煙外来を利用していただきたいですが、それにはハードルが高いという話もよく聞きます。
これらのことから、職場が行う喫煙対策は卒煙を促すのではなく、禁煙の機会を作り卒煙に向かうきっかけを作ることではないでしょうか?

4. 禁煙のきっかけづくりは周りの協力と本人へのちょっとの後押しをすること

弊社ではこの禁煙のきっかけづくりを後押しするために新しい禁煙プログラムを構築いたしました。

当プログラムは、禁煙ガムを使用し、3日間の短期間に取り組むことで、禁煙のハードルを下げ、成功体験としやすくすることを目的としています。また、プログラム参加のための募集チラシも、ナッジ理論(※4) を用いて設計し、喫煙者の関心を引きつつ、拒絶感を抱かないように工夫しています。

また、周りの協力を後押しする施策として、経営層向けの研修と喫煙者・非喫煙者向けの研修をセットで行うプログラムを設計しています。まずは一度喫煙対策の困りごとをお聞かせくださいませんか。ぜひともお気軽にお問合せくださいませ。

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参考文献

(※1) 厚生労働省 健康・医療 受動喫煙対策

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000189195.html

(※2) 禁煙外来を再開しましょう.日本禁煙学会. 2023 年3 月 3 日http://www.jstc.or.jp/uploads/uploads/files/information/20230303saikai.pdf

(※3) 職場の受動喫煙対策は「対立」から「共感」へ

改正健康増進法全面施行まで8か月 シンポジウム「令和の「新」たばこ対策 ~タバコ新時代にどう対応するか~」レポート2019年8月21日 https://www.businesslawyers.jp/articles/615

(※4) ナッジ理論
人々が行動を選択するときのくせ(惰性・バイアスなど)を理解して、 強制することなく、 人々が望ましい行動を選択するように導くアプローチ https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/000878851.pdf

(文/大内 麻友美)
さんぎょうい株式会社/ソリューション事業部 保健師事業室 室長(看護師/保健師・キャリアコンサルタント・第一種衛生管理者・産業カウンセラー他)
北海道の地域基幹病院に看護師として従事した後、子育てをしながら健診機関やクリニックにて予防医学に関わる。
その後、働く人の健康管理に携わるため保健師として産業保健業務に従事する。
現職では、さまざまな規模の企業に対して、個別支援を中心としたかかわりから、広く集団に向けて健康情報の発信や、喫煙対策プログラム構築、導入支援など産業保健サービスに携わる。
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